金融庁は2018年2月に、マネー・ローンダリングおよびテロ資金供与対策に関するガイドラインを公表しました。
これを受けて各銀行では、マネー・ローンダリングやテロ資金供与の防止に力を入れており、法人口座の開設には厳しい審査が行われるようになりました。
法人口座の開設が難しくなった現代、注意点を踏まえて銀行口座を開設する方法を解説します。

銀行の種類と特徴

銀行は大きく分けて以下の4つに分類されます

メガバンク
地銀(第一地銀・第二地銀)
信用金庫/信用組合
ネット銀行

それぞれの特徴を理解することが重要です。

メガバンク

メガバンクは、三菱UFJ、みずほ、三井住友の3グループを指します。
大企業との取引がメインで、日本国内で大規模な銀行です。
りそなを含むこともありますが、基本的には日本の大手銀行と考えれば良いでしょう。

地方銀行

地銀は地方を営業基盤とする銀行です。
メガバンクと異なり、地域経済を支える役割を持ちます。
第一地銀は「全国地方銀行協会」に属し、第二地銀は「第二地方銀行協会」に属します。
第一地銀の方が知名度が高く、売上規模も大きいことが多いです。
代表的な地銀としては、横浜銀行、千葉銀行、静岡銀行などがあります。

信用金庫/信用組合

信用金庫や信用組合は、地銀よりもさらに地域密着型の金融機関です。
株式会社とは異なり、株主利益ではなく利用者・会員の利益を優先します。
主な取引先は中小・零細企業や個人です。

ネット銀行

ネット銀行は、対面の店舗を持たずインターネット上で取引を行う銀行です。
手数料が安く、金利も高いことが多いですが、融資機能は弱いです。
代表的なネット銀行には楽天銀行、PAYPAY銀行、GMOあおぞらネット銀行、SBI住信ネット銀行があります。

銀行の選び方

かつてはどの金融機関でも法人口座を開設することは簡単でしたが、現在はマネーロンダリング対策の強化により、法人口座の開設は難しくなっています。以下のポイントを参考に銀行を選びましょう:

メガバンクの口座開設は諦める:実績のない新設法人がメガバンクで口座を開設する可能性は極めて低いです。どうしてもメガバンクで開設したいと考える場合、一番ハードルが低いのはみずほ銀行でしょう。三菱と三井住友はかなり難しいと思われます。
ネット銀行の活用:入金と振込支払のみが目的であれば、手数料が安いネット銀行が適しています。
地銀や信用金庫/信用組合の選択:融資による資金調達を考えている場合は、地銀や信用金庫/信用組合の口座開設を目指しましょう。

銀行口座開設のコツ

銀行口座を開設するための具体的なポイントは以下の通りです:

紹介を活用する:金融機関が信用している方からの紹介があれば、新設法人でも話を聞いてもらえる可能性が高くなります。
融資を受ける意思を示す:地銀や信用金庫/信用組合での口座開設には、融資を受ける意思と返済能力を証明することが重要です。

ネット銀行のメリットとデメリット

ネット銀行は手数料が安く、金利も高いですが、他の金融機関と比べてできないことがあります。
例えば、クレジットカードの自動引き落とし設定ができなかったり、倒産防止共済に加入できない、ペイジー払いができないまたは限定されているなどです。
したがって、可能であれば、地銀や信用金庫/信用組合の口座も開設しておくことをお勧めします。