ふるさと納税は、寄付を通じて地域を応援しながら、特産品などの返礼品を受け取ることができる人気の制度です。
しかし、この返礼品は一時所得に該当し、一定の条件を満たすと所得税の課税対象となります。
今回は、ふるさと納税の返礼品に関する一時所得の考え方と注意点について詳しく説明します。

一時所得とは?

一時所得とは、営利を目的としない偶発的な所得で、一時的に発生する所得を指します。
下記のようなものが、国税庁のホームページで例として挙げられております。

(1)懸賞や福引きの賞金品(業務に関して受けるものを除きます。)
(2)競馬や競輪の払戻金(営利を目的とする継続的行為から生じたものを除きます。)
(3)生命保険の一時金(業務に関して受けるものを除きます。)や損害保険の満期返戻金等
(4)法人から贈与された金品(業務に関して受けるもの、継続的に受けるものを除きます。)
(5)遺失物拾得者や埋蔵物発見者の受ける報労金等
(6)資産の移転等の費用に充てるため受けた交付金のうち、その交付の目的とされた支出に充てられなかったもの

ふるさと納税で受け取る返礼品は、その経済的価値が一時的に発生すると考えられるため、ふるさと納税の返礼品は、この一時所得に分類されます。
具体的な一時所得の計算方法は、下記のとおりです。

総収入金額 – 収入を得るために支出した金額- 特別控除額(最高50万円) = 一時所得の金額

一時所得には50万円の特別控除があるため、ほとんどの方は一時所得の課税を気にする必要はありません。
ふるさと納税の返礼率が30%だとすれば、166万円(50万円÷30%)を超えるふるさと納税した人のみが一時所得の課税対象となり、50万円を超える金額に対しては所得税が発生します。

https://www.nta.go.jp/taxes/shiraberu/taxanswer/shotoku/1490.htm

高所得者への注意点

収入が高い人は、ふるさと納税を多額に行う傾向があります。
その結果、返礼品の経済価値が50万円を超えることがしばしばです。
特に、高額な商品や複数の返礼品を受け取る場合は、一時所得の50万円を超えやすくなり、50万円を超えた場合には適切な確定申告が必要です。
ただ誤解がないように申し上げると、166万円以上のふるさと納税をしてはいけないということではありません。
166万円を超えるふるさと納税をした場合は、確定申告を適切に実施しましょうということです。
返礼品の価値を正確に把握し適切な税務処理を行わない場合は、意図せず脱税をしていることになりますので、必要に応じて税務専門家の助けを借りることが重要です。

まとめ

ふるさと納税は、地域貢献とともに魅力的な返礼品を受け取ることができる人気の制度です。
しかし、その返礼品が一時所得に該当することを理解し、適切な税務処理を行うことが重要です。
特に高額な寄付を行う場合は、50万円の特別控除を超える可能性が高いため、確定申告を忘れずに行いましょう。