住民税とは、地域の公共サービスやインフラの維持・向上に重要な役割を果たす税金で、原則として住民票住所の市区町村に納税する税金です。
住民税がどのようなフローで計算されるか、そしてそれぞれの納付方法について詳しく説明します。

住民税が計算される流れ

住民税の計算は市区町村が行いますが、どのように情報が流れているのでしょうか。

まず、給与所得者の場合、勤務先の会社は年末調整を経て、源泉徴収票を作成します。
全てではないのですが、特定の方の源泉徴収票は税務署に送られます。
見たことがある方は多くないと思いますが、源泉徴収票と同じ情報が記載された給与支払報告書という書類を会社は作成しており、その書類を会社が市区町村に送付します。
給与支払報告書には、源泉徴収票と同様、従業員の年間所得や源泉徴収税額などの情報が記載されています。
確定申告を要しない給与所得者については、この情報をもとに市区町村で住民税を計算します。

確定申告をする方の場合、毎年3月15日に確定申告書を管轄の税務署に提出します。
税務署はこの確定申告書の情報を、定期的に市区町村に流しています。
だいたい、1か月に1回程度の頻度でまとめて情報を流しますので、確定申告した情報は提出日から1~2か月後に市区町村に届くことになります。
市区町村は確定申告書の情報を受け取ると、会社から提出された源泉徴収票やその他情報と照らし合わせながら住民税の額を確定します。
住民税の確定時期は毎年6月上旬くらいです。

住民税の納付方法

住民税の納付方法には大きく分けて「特別徴収」と「普通徴収」の2種類があります。
これらの違いについて詳しく説明します。

特別徴収

特別徴収は、会社(給与支払者)が従業員(給与所得者)に代わって住民税を天引きし、地方自治体に納付する方法です。
給与所得者は、自分で納税手続きを行う必要がなく、毎月の給与から住民税が自動的に引かれます。
給与から天引きされるため、従業員が自分で納税手続きを行う手間が省けます。
また、毎月の給与から住民税が天引きされるため、支払いが定期的に行われ、納税漏れの心配がありません。
住民税の特別徴収は、通常6月から翌年5月までの12回に分けて納付します。
例えば、2023年の所得に基づいて計算された住民税は、2024年6月から2025年5月の12か月にわたって納付されることになります。

普通徴収

普通徴収は、個人(納税者)が自分で住民税を地方自治体に納付する方法です。
自営業者や給与以外に所得がある人、また特定の条件を満たす給与所得者などが対象になります。

納付書は地方自治体から個人(納税者)に直接送付されます。
指定された金融機関やコンビニエンスストアなどで納付することが可能です。
普通徴収の納期は、6月、8月、10月、翌年1月の4回に分けて納付します。
例えば、2023年の所得に基づいて計算された住民税は、2024年6月、8月、10月、2025年1月の4回に分けて納付することになります。
ただ、4枚の納付書は6月に全て郵送されますので、まとめて支払うことも可能です。

住民税の納付方法は、給与所得者であれば特別徴収、自営業者や給与以外に所得がある人は普通徴収が一般的です。
それぞれの方法には手間や納付回数に違いがあり、転職時に納付方法が切り替わることもありますので、納税漏れがないように正しく理解することが必要です。

まとめ

住民税の計算方法と納付方法を理解し、自分に適した方法で適切に納付することは、安心して生活するために重要です。
納付期限を守り、必要な場合は早めに相談することで、スムーズな納税が可能となります。
電子納付の利用や納税の相談なども活用し、住民税の納付を円滑に行いましょう。